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私は教えてもらわないとだめだと思ってた
教えてもらわないとできないと思ってた
教えてもらったことが正確で、
教えてもらったからできるんだと
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先日、ひとりはやく来た一年生の男の子がピアノ(電子オルガン)を弾いた
ふたりっきりの広い児童館
なんだか穏やかな風がふいてのんびりしてる
聴いててねと言われ、うんと答えた
何かの曲を弾くのかと思って、少し離れたところから彼の背中を眺めていた
始まったそのメロディは聴いたことがないもので
それはそれは自由に
強く強く、弱く弱く
長く長く、早く早く、踊って踊って、ボタンボタン、小さく大きく
きもちよく!
何の迷いもなく、終わりも決まってない演奏
全部終わって振り向いた彼の目をみて感動した
なんてすてきなんだ
心いっぱいの感動を拍手で贈る
あぁ、どんな歌もどんな曲もはじめはなかったんだ
どんな歌もどんな曲も、こうやって生まれたんだ
どんな歌もどんな曲も、誰かが作ったものなんだ
どんな歌もどんな曲も、それが生まれたという正確で、つまり正解なんてありゃしないんだ
これが、この曲、それだけなんだ
めちゃくちゃ?でたらめ?
ううん、これが音楽
たのしいたのしい
そんな気持ち
すてきだった。純粋に音楽だった。
こんなふうに湧き出るままに、音を出すことってできるだろうか。
楽しむことってできるだろうか。
二度と聴くことのできない、その瞬間しかないこの曲は、彼の笑顔になって私の心から離れない。あー宝物だなぁ。
翌日もその次の日も、早く来たり、最後になったりしてふたりになると、ピアノを弾いてくれた
こっちきて!演奏会をはじめます
何が聴きたいですか?と聞かれ
風の歌
なんていうと、彼の風の歌を弾いてくれた
彼にとっての風のイメージが音になって、とてもおもしろかった
あぁ自由だ。たのしい。
お腹すいた歌
といったら、 お腹すいちゃうからダメと言われ、お腹いっぱいの歌を弾いてくれた
お腹すいてたのを忘れるくらい楽しかった
そう言ったら、ね、ぼくも!と笑った
誰も教えてないのに、音の楽しさも、オルガンのボタンの使い方も、おなか空いた時の過ごし方も心得てる人
*
*
*
なにも教わらなくていい
なにも教えなくていい
余計なものがなんと多いことかと、立ち止まる
自由を増やすための学びが不自由を大きくしてしまうこともある
間違えなんてないし正解なんてない世界
みんなそのまんまでいれば
どれだけ広がっていくんだろう
すき、すき、たのしいのその先に!
勝手に好きに学んでく
暮らしの中で毎日毎日学んでる
それでいい
それがいい
すでにじゅうぶんもっている素晴らしさを
光らせれればいい
あーおなかすいた!
美味しいごはんがまってるよ。