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空の湯船

今日は新月らしい。

新月のお願いごとを書くといいと聞く。
 
誰かのを参考にして、その時の星の動きに合った願いごとを書いてみたこともあった。
 
 
でも、きょうはそんな気になれず
 
目を閉じてみた。
 
 
わたしの
願いごとってなんだろう。
 
 
 
 
しばらくして目を開けて、
部屋の洗濯物を引き出しにしまい
塩をたっぷり入れてお風呂に浸かった。
 
電気を消して
ぼーーー。
ひとりのじかん。
 
 
少しぬるめのお風呂が気持ちいい。
 
ふいに、手のひらを見つめて
顔を包んでみた。
 
 
あたまから顔、耳、首、肩
胸、うで、手首、手のひら
おなか、腰、背中、おしり
ふともも、ひざ、ふくらはぎ、足首
かかと、足の裏、足の甲、ゆび先まで
 
ゆっくり手で確認して
さわってみる。
 
ひろいおでこから、
左足の真ん中にできたウオノメまで
からだ全部。
 
ゆっくり、
どんどんたいせつに。
 
 
 
 
 
私が私を幸せにしてあげる
 
だいじょうぶ
 
 
 
そんな気持ちがふっと。
 
 
 
 
 
それはとても自然で穏やかに。
自分だけど、自分に湧いて
 
なんだか嬉しかった。
 
 
 
 
まっくらなお風呂の
少しぬるめのお湯の中でまるまって
 
今思えば、産まれる前の胎児みたい。
おなかの中ってこんなかな。
 
 
 
知らぬ間に今夜の新月
 
素っ裸で、丸くなって
自分が自分を愛すことを誓い
願っていたのでした。
 
 
こんな風に体にふれたことは
これまであったかな。
 
 
 
 
いつもの湯船なのに
狭いのにとても広いような
でも安心するような
 
空を飛んでいるような
海にもぐったような
 
 
 
そんな夜でした。
 
 
 
 
☆ ☆ ☆
 
 
 
もう、熱はないはず。よ。
 
さて、これからわたしになにしてあげよう。 
 どうやって、よろこばせよう。